私があなたに恋した理由
「ごめんな?」
いきなりすぎる彼の言葉に私は少し顔を上げた
そこには切なく微笑む彼の顔
そんな笑顔すら愛しいと感じるのに
私はどうすればいいのかわからなくて
きっと、目泳いでるよね
「お前が……好……き、かも…」
私と同じぐらい不器用で恥ずかしがり屋な彼の言った言葉は、
途切れながらも私の耳にきちんと入ってきた
だけど理解ができた訳じゃない
ただ、1番欲しかった言葉だというのはなんとなくだけどわかる
懐かしい大好きな匂いがふわっと私を包んだ
色素の薄い茶色い髪が目の端に映る
あれ?これって……
びっくりしすぎてあわてていると、回された腕の力が強まった
「俺、傷付けた。ごめんね、好……き。だから、やっぱり………付き合って?」
恥ずかしがり屋の彼がたくさん言葉を発した
だけどやっぱり恥ずかしいのか腕の力がますます強まっていく
夢じゃないんだ
そう思うと自然と涙が溢れてきた
「私は、ずっと好きだったよ。…またよろしくね……」
私は涙に気付かれないように彼の背中をぎゅーってしかえした
もうずっと離さないでね?
*
不器用両想い