心の窓辺


けれど…小鳥達の声と共に聞こえた鐘の音が気になり、思い切って足をベッドから降ろした。外に出ない私の身体は改めて見ると透けるように白い…それでも一歩窓辺に近づくにつれて……光り輝きが周辺を、包んでいた。


パアッーと明る過ぎる光りに包まれた時…瞬間…

パリーンと、私の中で何かが弾け中からも光があふれ出した。


何だろう…?暖かい……


それでも一歩一歩と、歩いている…ただ光があまりにも暖かく感じたから…


私は “ナーンダ”と可笑しくて笑ってしまっていた。

光りの中に入ったから…忘れてた全てを思い出した。

抜け落ちた全てが、まるでパズルのピースがピッタリと嵌まる様に…思い出していた…忘れたい感情…までも。



長年のベッド生活に、慣れていた私自身は全てが終わった雪の日からもずっと…何も変わらず時だけが過ぎ春になっていたのだ。


そうだね…もう…いいよね……私がいなくても…もう誰も悲しむ人達もいないんだから…


私は大きく手を広げて光りに溶け込む瞬間…聞き慣れた音を聞いた。


“さようなら”


最期に振り返ると…誰もいない病室があり壁の鳩時計だけが“ボーンボーン”と時を刻んでいた………私は応えるように、満面の笑みを浮かべると“有難う”と手を振った。


そして、私は今までずっと夢だった世界へと飛び出していく…

私は…夢同様に気持ち良く空・海・広大なる空間を飛び続けている。
もう悲しむ事も、苦しむ事もない…安息の中で…





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