駝鳥とリンドブルム
学校からもほど近い、巨大な公園。



「じゃ、とりあえず、一周するか」

「そうだね。ここ、広いしね」



言って、軽く走る。



しばらくすると、駆のペースが落ちた。



「駆。もう止めておく?」



そういう私も、少し、疲れてる。

時間的にも、そろそろ遅くなる。



「ち…っく、しょう…」

「駆?」

「まだ一周もしてねぇ。こんなんじゃ、あいつは抜けねぇ!」



駆…。

…私がどんなに言っても、走らなかったのになぁ…。



「駆。遅くなるし、今日はもう帰ろ?」

「…ん。…今日は、な」



こくりと頷く駆。



ふふふ。

『今日は』ね。

解ってるよ。


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