Pure Love






「いやっ!」



望美ちゃんの叫びが聞こえた。




俺はパソコンの打つ手を止め、前を見た。




嘘…だと信じたかった。



「杏!」



もう教師と言う立場を忘れてしまった。




杏子の彼氏に戻ってしまった…。




望美ちゃんは俺のスーツの端を掴んでいる。




俺の名前を呼ぶ途中で、意識を失ってしまった杏子。



担架で保健室へ運ばれている間も呼び続けた。



目を覚めるまで。



俺はベッドで待っていた。







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