告白[短編集]
「えっと、それはね。
えーと、嫌ってわけじゃないんだけど。」


言いにくそうな舞。


あぁ、そうか、やっぱり幼なじみか。


俺の事『嫌ってわけじゃない』か。


わかったよ、俺は幼なじみ。


付き合う相手じゃないんだろ。


予想通りか。


こんな抱き着きながら、そんな事言うのかよ。


舞、これは、結構きついよ。


お前に悪気がないのはわかってはいるが。


告白してふられるのは、しかたがない。


でも、なんで抱き着いて来る?


告白しても、男と思われてないのか?


告白しても………あれ?


俺告白してないよな。


まぁ、バレバレだけど、告白はしてない。


今から告白しても、ふられるだけだけど。


告白はしたい。


予定では、ツーショット写真撮ってとか考えていたのになぁ。


阿久津だって告白してんだ、俺だって。



「舞、好きだ。」


俺は、強く舞を抱きしめた。


さぁ、ふってくれ。


「私も好き。」


はっ?


舞が俺の胸の中で、今…。

「大好きなんだからね。」


聞き違えじゃないよな?
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