告白[短編集]
「ちょっと待て。」


「ヤダー。」


舞を離そうとしても、嫌がってさらに抱き着いてくる。


「やっと好きになってもらったのに。
離れるの嫌。
今まで隆が他の子に告白してるの知ってた。
ずっと辛かったよ、悲しかったよ。」


抱き着いてくる舞。


なんだよ、それ。


「やっとじゃない。
俺だってずっとだ。
ずっと好きで苦しかった。
舞は俺の事なんて、幼なじみとか見てないって思ってたから。
諦めなきゃって、他の女を。
バカだな俺。」


舞をきつく抱きしめる。


「私も、隆は幼なじみとしか見てないって思ってたから、せめて幼なじみとして甘えてた。
彼女でもないのに泊まりに行ったりして、幼なじみっていう影に隠れて甘えてたの。
私もバカだね。」


俺を、潤んだ瞳で、上目遣いで見つめる舞。


可愛すぎだ。


可愛すぎだ、俺の彼女。


俺の彼女。


俺の彼女。


あー、チキショウ、嬉しすぎる。


舞が俺の彼女になるなんて。


舞が俺を好きだなんて。


だったら、さっきの『嫌ってわけじゃない』ってなんの事だ?
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