告白[短編集]
婿養子だなんて言って、隆が嫌がったらどうしてくれるの。


今日やっと付き合えるようになったのに。


これからなのに。


「舞。」


つないでいた手を強く握られる。


怒ってるの?


まっすぐに目を見つめられる。


何を言うつもりなんだろう。


怖い。




「高校卒業したら結婚する予約入れてくれるか?」




はっ?


えっ?


えーー?




「俺、まだまだ何もないけど、高校卒業したら働いて舞と子供頑張って養うから。
お婿に行く予約していいか。」




プロ、プロポーズ?


そうだよね?


私プロポーズされてるの?


「ほら、舞、何黙ってるの。
早く返事しなきゃ。」


あー、お母さんうるさい。

頭がまとまらない。


なんて言えばいいの?


隆がじっと見てる。


答え待ってるんだよね。


えーと、えーと、えーと。



「よろしくお願いします。」



考えてもわからなくて、つまんない答えを言ってしまった。


頭を下げて、ゆっくり頭をあげれば、うれしそうな隆の笑顔。
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