告白[短編集]
「それでですね、彼は期間従業員でした。
今月で雇用期限切れで更新も出来ず、新しい仕事も見つからず、住んでいる会社の寮をでなければならない。
しかし、次の仕事が決まってない状態では、アパートの部屋も借りられず、毎日悩み、ストレスが溜まり痴漢行為をしたそうです。」


「なんだよそれ。
綾関係ないじゃないか。」


思わず大きな声がでる。


「悩みが一つも無く、ストレスもない人なんている?
痴漢のただの言い訳じゃない。
ばからしい。」


母さんも声を荒げる。


「そうですな。
うちの娘は、まったく関係ない。
痴漢行為の言い訳。
本当にばかやろうとしか言いようがない。」


綾の父親が顔を歪ませる。

「慰謝料の件なんですが、こう言う状態なので、あまり高い金額は無理かと思います。」


父さんの言う通りなんだろうけど、綾はすごく傷ついたんだ。


慰謝料一億だって、俺にしたら足りないぐらいなのに。
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