告白[短編集]
「なんだ、石田くんかー。
びっくりしたじゃない、すごい音なんだもん。」


俺に抱き着いたまま、普通に聡に話しかける舞。


「あっ、う、うん、ごっごめん、おど、驚いたよね。」


聡、ボロボロだぞ。


「石田、知り合いか?」


「同級生です。」


先輩ウザイな。


聡も答んなって。


「下行きましょう、先輩。」

無理矢理先輩たちを引っ張って、リビングへ連れて来る。


「おい、わかたって、中井引っ張っんなよ。」


「先輩、これ以上は勘弁して下さい。」


これ以上したら、殴る。


「わかったよ。
悪かったよ。」


俺の怒りが伝わったのか、先輩はおとなしく椅子にすわる。


「いいなぁ、中井先輩。
可愛い彼女さんっすね。
うらやましいっす。
昨夜は、あー、うらやましいっす。」


ウザイ。


まぁ、俺のトレーナーだけ来て、俺のベットに寝てたからな。


仕方ないか。


すまん、ウザくない。


「ここで待ってて下さい。
聡、冷蔵庫に入ってるジュースとか適当にだして。」


俺は急いで二階に上がる。
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