告白[短編集]
下におりると、そこはさながら宴会会場。


そりゃ、いいとは言ったけどさ。


ジュースとお菓子が散乱しすぎじゃねぇの。


そんな長い時間じゃないはず。


「お、色男が帰ってきたぞ。
ベットに自分の服着て寝てるなんて、男の夢だよ、夢。」


酒もないのに、絡み酒かよ。


「そうですよねー、夢っすね。
先輩、俺本当に夢で終わったらどうしよう。」


「バカ、俺もだよ。
彼女いないし、出来る感じもしない。
いいよなー、中井わよー。」


聡が、申し訳なさそうに俺を見る。


何だ、この二人?


ひがみに入ったのか?


まったくひがまれる事してないのに。


この散乱は嫌がらせか?


誤解だって言って通じるか?


「いやだな先輩。
誤解ですよ。
遊びに来てて、たまたま寝ちゃっただけですって。」


通じたか。


「へえー、そうか、誤解かー、って訳ないだろ。
たまたま日曜日の午前中から遊び来てて、たまたま中井の服来て、たまたま中井のベットで寝たのかよ。」


「隆、言い訳くるしいよ。」

あー、そりゃ、そうなるわなー。


「隆、帰るね。」


玄関から、舞の声。
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