お前のためなら死んでやる

「…最悪」

管理人室に行ったら、張り紙があった。

[〇□マンションの皆さん、ただいま留守にしております。御用の方は電話して下さい。]

とりあえず、部屋の前まで行って考えよう。ここは肌寒い。

…………………………
チン
規定の音をたてエレベータが開いた。

あたしの部屋はエレベータを出てすぐ。

だから、ほとんどおむかいさんにも会わない。

今日に限って人がいた。

前髪と襟足が少し長めで、ミルクティーの髪色にまるで桜のようなピンクのメッシュが入った髪の君。

「…桜咲」

「……んー、あっ五十嵐やっと来た。」

あたしの家の前で何やってんの?寝てただけじゃないよね…

「寒い。中入れて。」

はっ?いきなり来て何様?あたしだって入りたいけど入れないのに。

「無理」

「ヒド!一晩一緒に寝た仲じゃん」


< 33 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop