お前のためなら死んでやる

XXX


あたしが桜咲に半強制的に連れてこられたのは、繁華街を抜け、あたしがいつも座っているベンチがある建物もとおりこした場所。

暗闇の中でも目立っているであろう、この建物。

見上げれば3階建てぐらいあるんじゃないかと思わせる高さ。

だが、家かと言われればちょっと違う。

ほぼ真四角といったこの建物はあたしが思うに、廃棄工場だろう。

「ここ、俺ん家。」

そう言われても、人が住むようには見えない。

ここ工場じゃん。そう言おうと思った矢先、また桜咲があたしの腕を引っ張ってきた。
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