お前のためなら死んでやる

シャッターが少し空いていたから、そこから入るのかと思ったけどそれは違った。

工場らしき桜咲の家の外側に設置された階段を登って、2階につれてこられた。

暗かった部屋の電気を慣れた手付きで壁から探りあて、明かりがともる。

「でか」

思わず口走ってしまった。
工場だから、もっとコンクリートとかで出来てんのかと思ったらちゃんとした部屋だった。

黒い絨毯がひかれ、同じように、黒と灰色のストライプ柄のベットが置かれていた。

ガラスのテーブルの上には、灰皿につもった沢山の煙草とお酒の空き缶。

やはり男子の部屋たるもの、生活感があまり無かった。

< 38 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop