お前のためなら死んでやる

こらえ過ぎて涙がでてきた。
それと同時に桜咲がしゃがみこんだあたしの顔を覗くように下から顔をだした。

「ねぇ、どうして泣いてるの?」

デジャヴ。
夢と同じだった。

驚きのあまり、あたしは顔を上げてしまった。

「あ」

もう遅い。殺される。バイバイ日本。

そう目を瞑った瞬間温かい何かがあたしの体に巻き付いた。

二度目のビックリに涙なんか引っ込んでいて、目を開けたら顔の横に桜咲の顔があって…

「えっ…」

あたし桜咲に抱き締められてる。なんで?殺すんじゃないの?えっなんであたし抱き締められてるの?

頭がごちゃごちゃになった。
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