お前のためなら死んでやる

お金の場所は知っている。

父の部屋にあるタンスを片っ端から開け封筒に入ったお金を取り出した。

俺はまた両手に封筒を抱えて小さいながらに息を忘れて走っていた。

「お、ちゃんと持ってきたじゃねーか。ほら寄越せよ。」

「じゃあ先にシュン君とリョウ君離して!」

それが間違えだった。

「あ?チビのくせに生意気な事言ってんじゃねぇぞ。やれ」

「「ゲホッ」」

シュンとリョウが一斉に殴られた。俺はもうどうすればいいのかわからなくなって、気付いたら目の前にいた高校生にむかって突進していた。

油断していたんだろう。
高校生は小学生の俺の突進で尻餅をついた。

道路の上で…

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