お前のためなら死んでやる
高校2年の春。
新1年が入学する今日。
俺らは久しぶりに、学校に来た。
学校から頼まれたから。
「入学式ぐらい出てってくれ」
お前らがいると1年も来る奴増えるって。
別に頼まれなくても小坂の言う事なら聞いてやる。
コサカは俺が高1の時の担任。
誰も俺らに近付こうとしない教師の中で唯一戸惑いもなく喋りかけた小坂。
最初はどうせ同じって思ってた。
なのに、
「おい桜咲、宿題やったか?」
「おい桜咲、学校こいよ!」
「おい桜咲!」
いつ日か小坂の絶え間ない笑顔に俺は気を許していた。
初めて信頼できた大人は、小坂だった。