お前のためなら死んでやる
さすがにもう帰ってくるだろう。
俺は五十嵐の部屋のドアの前でしゃがみながら待っていた。
30分、1時間、1時間半…
いくら待っても帰ってこない。
いつの間にかドアの前で俺は寝ていた。
……………………………
「…桜咲」
自分の名前ってものは寝ていても聞こえてしまう。
「……んー、あっ五十嵐やっと来た。」
眉をひそめ俺を見下ろす五十嵐。
中に入れてと頼んでも頑固として入れようとしない五十嵐。
俺がドアの前に座っていたから入れないんだと勝手に解釈してみたが違ったようだ。
鍵がないらしい。
五十嵐、今日はお前をさらってやるよ。
ボタンをおしすぐに開いたエレベータ。
その中に俺は無理矢理五十嵐を引っ張りながら乗り込んだ。