お前のためなら死んでやる

あたしが怒鳴ったせいで、桜咲の掴む手の力が弱くなってふりほどけた。

追いかけようとも、声をかけてあたしをとめようともしない。

別に期待なんかしてない。

これであたしと桜咲の関係は終わったんだ。


もう、話す事もない。

あたしは桜咲が嫌い。

今のであたしの事も嫌いになっただろう。

それで良い。

あたしたちはきっと、

近付いてはいけない運命だから。



――――それなのに、胸が苦しくて、苦しくて…息が出来ないくらい苦しくて。涙があふれてきた――――

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