お前のためなら死んでやる

あたしの言葉に驚いたのか、女はあたしを止めるわけでもなく、ただ木の下に立っていた。

きっとあたしが桜咲と関わったら、今みたいに不愉快に思う人がいるだろう。

あたしだって鈍感じゃない。

今の女が桜咲を好きだってことぐらい、目を見れば分かった。

あたしは、桜咲の事であんなに熱情できる彼女を応援した方がいい。

彼女は綺麗な子。きっと桜咲も受け入れてくれるよ。

そしたらもう、女のあたしに近付いてくる事もない。

このスウェットを返しに行ったら、本当に最後だ。

学校であっても、ただの学校の人。

それで良い。今までだってそうやってきたんだから、出来ないはずがない。

スウェットを…桜咲のスウェットを返しに行こう。
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