お前のためなら死んでやる

………………………
………………

「―――っん…」

…どこ、ここ?

あたしさっきまで桜咲の家の前に…

「目が覚めた?優音ちゃん?」

なんであたしの名前…

!?あたしの生徒手帳っ

「返してよ!あたしの」

「五十嵐 優音 高校1年」

ゾク

目の前にいるのは、1人だけ。あたしの顎を掴め上にあげる。


「この目も、この顔も、この鼻も、この唇も、この体も…全部桜咲にあげてたまるかよ。」

意味わかんない。

「俺の兄貴なんだよ、桜咲は。腹違いの弟」

桜咲に弟?腹違いの。

「アイツは俺の存在も知らない。自分に弟がいるって事も知らない。アイツの父が俺の母さんを愛人にした。俺は今の母さんとアイツの親父の子。俺ら家族を捨てて、アイツの親父は金で関係を断ち切ろうとした。 」

愛人。あたしの父も他の女を選んだ。あたしを捨てた。
< 93 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop