お前のためなら死んでやる
………………………
………………
「―――っん…」
…どこ、ここ?
あたしさっきまで桜咲の家の前に…
「目が覚めた?優音ちゃん?」
なんであたしの名前…
!?あたしの生徒手帳っ
「返してよ!あたしの」
「五十嵐 優音 高校1年」
ゾク
目の前にいるのは、1人だけ。あたしの顎を掴め上にあげる。
「この目も、この顔も、この鼻も、この唇も、この体も…全部桜咲にあげてたまるかよ。」
意味わかんない。
「俺の兄貴なんだよ、桜咲は。腹違いの弟」
桜咲に弟?腹違いの。
「アイツは俺の存在も知らない。自分に弟がいるって事も知らない。アイツの父が俺の母さんを愛人にした。俺は今の母さんとアイツの親父の子。俺ら家族を捨てて、アイツの親父は金で関係を断ち切ろうとした。 」
愛人。あたしの父も他の女を選んだ。あたしを捨てた。