海賊と私
シイさんと別れた私は海岸に向かった
海岸に着くとクリュウさんが海をじっ…と見ていた
『皆さんと飲まないんですか?』
「ん?渚か…女共がうるさくてな…」
そう言って迷惑そうに顔をしかめた
『みんな5年ぶりに出られて嬉しいんですよ』
私はそう言いながらクリュウさんの隣に座った
「…お前はさあ…ずっとここにいるつもりなのか?」
『え?』
「いや…この前言ってただろ?夢がどうのこうのって…」
『…そうですね。確かに私の夢はこの広い海を旅する事ですけど…でも私はこの島の人達が幸せな日々に戻ることも夢ですから…だから旅に出る訳にはいきません』
そう言うとクリュウさんは笑いながらお前は良い娘だな…と言った
『そう言えばクリュウさんはどうして海賊になったんですか?』
「俺か?俺は世界一の剣豪になることだ」
『世界一の剣豪に?』
「ああ。俺がガキのころ一人の海賊に命を救われたんだ。その海賊は俺に教えたんだ」
「「剣は自分の強さをみせしめる為に抜くものじゃない。それで勝ってもそれは強さじゃない…ただの強がりだ。本当の強さというのは大切なものを守るときに出るものだ。剣は大切なものを守りたいときにだけ抜くもんだ。」…ってな」