白い女
女性は白くて細い腕をゆっくり私の首に移動させると力強く私の首をしめたのです。


「返せ!私の大切な…返せ!」


女性は鬼のような顔で私を睨みながら力を込めます。



必死にもがいた事だけは覚えています。






以前、夢の事を母に相談したらお守りをくれたことがありました。


私はとっさなその事を思い出して、枕元にあったお守りを無理矢理掴むと女性に向けてやりました。











そこから先のことは覚えていません。

気が付いたら朝でした。


でも、鏡を見て驚きました。私の首にはしっかりと女性の手形がアザになって残っていたのです。


それから両手、両足に巻き付いた黒い髪の毛。



身の毛もよだつ体験でしたが、その日以来、彼女は現れていません。


いったい私に何を伝えたかったのでしょうか…。
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