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「…あら。三橋くん?」



えっ…
櫂に連れられ、玲奈ん家に
向かう途中、不意に後ろから
名字を呼ばれた。



「……誰?達也知り合い?」



櫂が不思議そうに
覗き込む。

俺は声の主に驚いた。



「あっ…どうも…」


「こんにちは。久しぶりね」


「えっ…誰、達也」



櫂は眉間にしわを寄せ
俺と声の主とで交互に
視線を動かす。



「…玲奈の、お母さん」


そう。声の主は玲奈の母親。

玲奈が来なくなってから
何度か玲奈ん家に行っていたから
母親とは顔馴染みだった。





「あっ…嘘?玲奈ちゃんの母ちゃんと知り合いだったの?」


「ん…あぁ。玲奈ん家に何度か通ってたから。誘いに」


「あー、そっか。…ども。松山櫂です」


「あらあら。どうも。っていうか松山って……もしかして、りっちゃんの?」


「あっはい。律の兄です」


「あらー、玲奈がいつもお世話になって…」


「あっいえいえ!…それより、玲奈ちゃん、大丈夫ですか?」





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