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「…玲奈。もし…俺を、許してくれるなら……もう一度、俺のもとに来てほしい…」
無意識に口走った言葉。
頭では、一番
「許せ」なんて
言ってはいけない と
分かっていたのに…、
「…許す…?」
玲奈が低い声で言った。
俺は
なんて最悪なんだ と
自分を罵った。
すると、玲奈の続く言葉は
俺の考えとは裏腹に
あまりにも、優しく…
玲奈にとっては、とても
残酷な言葉だった。
「…許す、なんて。
そもそも、達也さんに怒った記憶がないです。それより、私は傷モノなんですよ。達也さんといる資格なんてないんです」
“傷モノ”……
「傷モノ?…んな事ないんだよ、玲奈。…もしそう思うなら、俺がいくらでも愛撫してやる。頭の中も身体中も俺でいっぱいにして、あんな奴らの事なんて、すぐ忘れさせてやるよ」
またも
勝手に口走った言葉だった。
たまに
俺はもう1人いるんじゃないか?
俺は…実は、ものすごい
二重人格なのか?
と 思うことがある。
今もまさに、その
真っ最中だ。