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「――…どした?」
駅へ向かう俺の手を繋いだまま
玲奈はその場を動かない。
「…まだ。帰りたくない」
口調は、“冷血人間”
そんな風に言われている玲奈と
全くブレがないのに
なぜかすごく可愛くて
全く“冷血”じゃなくて
ただ 普通の女の子で…
そんな玲奈に
俺はキスをしていた。
「……んっ……人がっ…」
“人が見てる”。
そんな事は分かってる。
駅前で堂々とキスをしてるんだ。
見られて当然。
「………やっ……ん……」
恥ずかしそうにキスを拒む
玲奈の舌に、俺は舌を絡めた。
多分、玲奈には初めての感覚。
玲奈の足がガタついているのが
見なくても分かる。
「……はっ…はぁっ……」
やっとキスから解放してやると
玲奈は、崩れるように
その場に座り込んだ。