ピーちゃんと私
 祖母の家にはインコが一羽いた。私とインコはすぐに仲良くなった。インコの名前はインコ。祖母曰く、インコはインコらしい。私は納得ができず、勝手にピーちゃんという名前を付けた。
 ある日ピーちゃんを肩に乗せて散歩に出た。ピーちゃんが逃げてしまうかもということは考えもしなかったが、外に出た瞬間にピーちゃんは木の枝に飛んでいってしまった。私が大騒ぎしていると祖母がすぐに来てくれて「大丈夫だよ」と言ってくれた。「このインコは賢いから大丈夫。『インコ!』って呼んでみな。そしたらちゃんと彩ちゃんの肩に帰ってくるから」
 私はピーちゃんと呼びたかったが祖母の言うとおりインコと呼んでみた。そうするとバタバタと羽を世話しなく動かせて私の肩に戻ってきた。
 その日から毎日ピーちゃんを連れて島を歩いた。家から持ってきたビデオカメラを持っていろんな景色を撮りながら、アナウンサー気取りでレポーター紛いのことをしたりして遊んでいた。一周しても歩いて数時間程度の小さい島を毎日歩いた。夕方になると祖母とお話をする。祖母は母と違って私の数々の質問を真剣に聞いて答えてくれた。この時もビデオカメラは常に回していた。
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