シュガー◇*゚+


―――…

「薔華……行こっか。」


「……う、うん。」


手を繋ぎ病院に入る。


病院独特の匂いが鼻を刺激する。


――コンコン……


「……どうぞ。」


中から聞こえたのは懐かしいあの人の声。


「……ッヒック……生きてるよ……」

「……ヒック……莢華ぁ……」


莠馬くんに会う前から泣いちゃうなんて思ってなかった。


2人で泣きながら、恐る恐る、病室の扉を開く。



「「……久しぶり。」」


2人して………


こんな言葉しか出なかった。


「……莢華、薔華。久しぶりだな。」


莠馬くんの笑顔が眩しい。


ずっと逢いたかった人。


ずっと好きだった人。


なのに……


いざ目の前にしてみると言葉が出ない。














< 47 / 70 >

この作品をシェア

pagetop