100万粒の涙。⊹.*
元男子校.・。✣
―――コンコン
「…失礼します」
大きいソファーに腰掛けてる男。
「入りなさい」
男の前まで歩いて行く。
男は言いにくそうな顔をしてる。
「…分かってます。退学処分でしょ?」
「あ、あぁ。
すまんがこうなった以上は無理だ」
やっぱり…。
でも、こうなる事は分かってた。
「…今までありがとうございました」
頭を下げて、部屋を出た。
―――パタン…
ドアを閉めて、静かに学校から出ていく。
明日から、ここの生徒じゃない。
お家に戻った。
お母さんが無表情で座ってる。
「…ここに座りなさい」
あたしは言われたとおりに、座った。
「…退学になったんだってね。
これ。荷物は運んでもらったわ」
チケットと鍵を渡された。
この意味が分かった。
電車の切符と新しい家の鍵。
これは、この家を出てけって事だ。
「…これは明日からのパンフレット」
新しい学校のパンフレット…。
「…早く行きなさい」