100万粒の涙。⊹.*

医者は納得しきれてない。

「…お願いです。黙ってて下さい…」

医者は真剣な顔をしてあたしを見た。
「・・・1人暮らしは避けてください。
今の彩夏さまは、とても危険な状態です。
いつ、どんな事で倒れるか分かりません。
ですから、両親にお伝えして・・・」
医者はあたしの顔を見て黙った
みんなも驚いてる。

両親の事を話されると、なんとも言えない気持ちがこみ上げてくる。
頭が混乱して、自分を見失っちゃいそう…。

あたしは気づいたら、頬をたくさんの冷たい光が伝わってた

「お家で何か…あったんですか?」
看護師が聞いてくる。
「・・・」
あたしは俯いた。
みんなは悟ったらしい。
「…では、代わりに彩夏様の症状をお伝えする方。来てください」

祐樹と亮が医者の後について行った
あたしはお茶を飲んで、自分を落ち着かせる

「彩・・・」
祥の声がする。
「…ごめん。気にしないで」
あたしが笑うと、みんなもゆっくり微笑んだ

「さっちゃんってお茶、好きなの?」
「…普通」
「じゃあ、何が好きなの?」
「…いちごミルク」
大輔は「へー」と言って、微笑んだ
「んじゃ、次からはいちごミルクな?」
大輔は涼と慎を見て言った
「はいっ!!!!」
2人はニカッと笑って言った
「お前ら…笑顔が爽やかすぎんで?」
みんなは「確かに…」といって笑ってる

だってハニカミ王子と爽やか君だもんね



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