100万粒の涙。⊹.*
命に別状は、ありません…って言わなかった。
…きっと、長くないんだろうな。
自然に涙が零れた。
前のあたしなら「どうせ死ぬんだから、早く死んだ方がましだ」と思ってただろう。
だけど、今のあたしは…
―――フワっ
「…彩夏。俺らが守るから、全力で」
出来る限り生きたい。
最後まで、生きたい。
「死にたく……ない…」
何でこんなに、弱虫になったんだろう。
この人達に、あたしの壁が・・・
「…俺らが絶対、死なさねぇ」
壊されて行く…。
「…祐樹…助けて……」
「…任せとけ」
あたしは何で病気になったんだろう。
何で、あたしなんだろう。
死ぬ事が怖い…。
この世で1番怖い…。
祐樹はあたしを強く優しく抱きしめてくれた
「…ゆ……き」
「…俺らがいるから、大丈夫だ」
あたしは祐樹の胸の中で静かに頷いた
祐樹はあたしをゆっくり抱えて歩きだした。
リビングに来ると、みんなが心配そうに見てきた。
祐樹があたしをソファーに座らす。
祐樹はあたしの隣に座った。
「…彩夏。落ち着いてね」
涼が優しい顔で頭を撫でてくる。
祥がお茶を差し出す。
「いちごミルクあらへんから、これで我慢せぇよ?」
あたしは受け取って、1口飲んだ。