100万粒の涙。⊹.*
陸の過去.・。*
「行かなくていいの?」
「うん。拓達と喋りたいし…」
あたしが微笑むと、みんなが顔を真っ赤にした
「何か作ってるの?」
「ああ。夕ご飯」
「へー。毎日?」
拓達は笑って「そう」と言った
「あたし、手伝うよ!!!」
「ダメっ!!彩は見とって!」
あたしはそんな拓の言葉を無視して、キッチンに入った
「何作るの?」
「カレー…ってうわぁっ!!!!」
拓は隣に来たあたしに吃驚した
「カレーかぁ・・・いいねっ!!!
んじゃ、あたしが作るよっ!!!」
その言葉で、キッチンにいたみんなが焦り出す
「ダメっス!!!俺らが怒られるっス!!」
下っ端達が止めようとする
「だいじょーぶ!!あたしが勝手にって言えばお―ヶ!!」
「彩。ダメってのはダメ!!!」
拓は、軽く怒ってる
「…ごめん。
でも、ちょっとでも思い出…作りたくてさ…」
拓と慎はあたしの言葉に黙った
きっと、病院での事を思いだしたんだろう。
「分かった。でも、無理すんなよ?」
「うんっ!!!」
あたしは包丁を持って、野菜を切る。
下っ端達は拓達の言葉に驚いてる。
何も言わないって事は、下っ端達の中で拓達が強いんだろう。
拓も、隣で切っていく。
あたしは切った野菜を鍋に入れて煮込む。
―――ガチャ
「彩夏?遅いんだけど…ってえええっ!!?」
涼があたしの姿を見て驚いた。
下っ端達も焦り出す。
「さっちゃんぅ?何やってんの?」
涼が黒い笑顔を見せながらあたしに近づく。
下っ端達が青ざめていく。