100万粒の涙。⊹.*
下に行くと、リムジンが止まってた
あたし達はそれに乗り込んだ。
「彩夏、おいで」
涼に手招きをされて、そこに行くと手を引っ張られて、涼の足と足の間に座らされた
「涼?」
「髪、いじるよ?」
「…うん」
涼は、シュシュを取り出してあたしの髪をいじる
「彩夏、髪綺麗だね…。綺麗なピンク色してる」
「ああ…。これね、お兄ちゃんがやってくれたの」
「へー。彩って、お兄ちゃんいたんだ…」
「…うん。
今は何処にいるか分かんないんだけどね…」
あたしのお兄ちゃんは目が黒い。
とっても、優しいお兄ちゃん。
頭もよくて、カッコよくて、優しくて、女達からもモテてた。
だけど、お母さんとお父さんの期待が大きくて、点数で90点以上取らないと、殴られたりしてた。
お兄ちゃんはそれに押しつぶされて、中学の時に髪も染めて不良になった。
中学を卒業すると、何も言わない出て行った。
今でも、大好きなお兄ちゃん。
会いたいよ。
「お兄ちゃんの名前、なんて言うの?」
「北原 龍介(きたの りゅうすけ)…」
その言葉に、一瞬空気が固まった。
みんなは目を見開いてる。
「彩夏、それって右腕になんかあったか?」
「…うん。龍のタトゥーが入ってる」
みんなは、固まった
「どうしたの…?」
「彩夏、お兄ちゃんに会えるとするなら、会いたいか?」
「…うん、会いたい。
お兄ちゃんはあたしにとって、雄一の家族だから…」
祐樹は優しく微笑んで「分かった」と言った
「でも、何で?」
あたしが聞くと、みんなは優しく微笑んで「内緒」と言った
「…着きましたよ」
運転手の言葉でみんなは車を降りた
その瞬間、女達の黄色い歓声が上がる。
「ここ…何処?」
「遊園地だよ」
「うそ!初めて来たっ!!!」
あたしの言葉にみんなは微笑んだ