100万粒の涙。⊹.*
「行くぞ」
祐樹はあたしの手を握って、歩きだした
慣れてきたかも、女達の視線や声が空気同然になってる。
「ちょっと待って!!アレ乗りたいっ!!」
あたしが指差したのは大きなジェットコースター。
祐樹達も「乗るかっ!」と言って、ついてきた。
あたし達が席に座ると、アナウンスが流れた
『応答せよ!応答せよ!!
こちらRTT2000の宇宙飛行線です』
リアルな音や音楽が流れて、ジェットコースターが動き出す
「無理すんなよ?」
隣に座ってる祐樹が心配そうな顔であたしを見てきた
「大丈夫っ!!」
あたしが笑うと、祐樹も笑った
その瞬間、ジェットコースターが急降下した
「きゃぁぁぁぁっ!!!」
後ろから、みんなの笑い声が聞こえる
む、無理無理無理無理!!
もう2度と乗らない…。
ジェットコースターが止まると、すぐに降りてクマさんの所にダッシュした。
クマさんは吃驚してる。
あたしはクマさんに抱きついた
「怖かった~!!!死ぬかと思った~!!」
…“死ぬかと思った~!!”
自分で言った言葉に、悲しくなる。
…どうせ、あたし死ぬんだ…。
死ぬことの何が怖かったの?
――――グイっ
「彩夏っ!!ったく、いきなり走り出したと思ったらクマかよ…」
祐樹達が、呆れたような顔をしてる。
「……うぅっ…」
あたしは祐樹に抱きついた
祐樹はいきなりの事で驚いてる
でも、すぐに抱き返してくれた
「次…行こ」
あたしは祐樹から放れて、涙を拭ってから笑った