100万粒の涙。⊹.*
「まぁええねんけど!!」
男はニカッと笑って、ピースした。
男は隣の席のイスを引き、あたしの隣に座った。
「なぁ。なんで転校してきたん?」
男は微笑みながら聞く。
「何でって…」
学校をたらい回しにされたから…?
んで、たどり着いたのが…ここ。
「んー。言えるようになったらでええや!!
っつかさ、ここの学食マジでうめーんだぞ!!!」
空気を読み取ったのか、話を変える男。
気配りできるんだ。
ペチャクチャと喋る男。
それに適当に返事をする。
よく、こんなに喋れるな。
―――ガラッ
「おい! お前らじゅぎょーすんぞ!!」
先生らしき人が入ってきた。
茶髪に銀のメッシュ、緑のカラコン。
モテる方の男だ。
年は18くらいだろう。
「おっ! すげー美人さんっ!!
北野彩夏ねー。今度食事にでも行かない?」
男はあたしを見てウィンクする。
普通の女だといちころってとこだろーけど、あたしには利かないよ。
「…結構です」
先生は目を点にして驚いてる。
「…俺。初めて断られた……」
男達は爆笑してる。
先生は口角をあげて言った
「おもしれぇ。彩夏っ!俺が絶対落としてやるよ」
「・・・」
あたしはスルーした。
相手にすると、きっと終わらない。
あたしは窓越しにさっきの場所に目をやった。