Ne soyez pas desespere
コンサート

「おーい、陵、行こうぜ~」



俺は大倉陵。高校2年生。


中3の時、ちょっとした出来心で書いた小説を小説大賞に応募したら、見事金賞。


そしてその小説は高1の時書籍化され、続編を望むという読者の声で俺は今、夏休みだと言うのに必死に続編を書いているのだ。



なのに、なんで、今、この、忙しい、時に、誘う?!?!



俺を誘ったのは大学3年の兄貴。


彼女が音楽好きで一緒にピアノのコンサートに行く予定で席を2つ取ったが、その彼女が風邪で寝込んでしまって、チケットが1枚余ってしまったそうだ。


お見舞いに行ったら?と言ったんだけど彼女さんは「風邪が移ったら困るし、そのピアニストの演奏はすごいから、是非行ってほしい」と言ったそうだ。


で、俺を誘っているわけである。



「兄さん、悪いけど俺、この原稿一応〆切間近だから早めに書き終えなきゃならないって言っただろ?」



「いいじゃんか、気分転換にさぁ。どうせ移動時間合わせても2時間かそこらだって」



「…俺、ピアノに興味ないし」



「陵~………」



「………分かったよ!行けばいいんだろ?行けばっ!」



「おぅ!そう来なくっちゃ!よし、出発だ!」



「はいはい…」



まぁ、ちょっと行き詰まってたし、たまには気分転換にいいかもな…。



でも本当にピアノに興味無いんだけどなぁ…。









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