永遠の愛
そのライブハウスは、存在した。
正直、潰れていたらどうしようと思ったが、ちゃんど営業をしてくれているようだ。
まぁ、さっきの連中のようなのが地元のバンドなら、まったく来る気すら起こらないが、
雑誌を買いにくるだけなら、常連になりそうだ。
入り口に入ると、ライブ中らしく、スタッフが1人いるだけだった。
スタッフの女性は、僕を見ると、少し頬を赤らめながら、
「ライブを観に?」
と尋ねてきた。
最近、隣町に引っ越してきて、ライブハウスがあると知ったので、覗きに。お勧めのバンドはあるか。あれば教えてほしいのだが。
と答えると
バンドではないが、とても魅力的なアーティストがいる。今、丁度ライブ中の。
ここは、100人入るか入らないかのハコだが、バンドはまったく人気がなく、知り合い20人くらい集めれば良い方だが、
その歌手は、最初は10人入れば良いほうだったものの、その余りの魅力から、
現在、50人は、余裕で動員している。
と教えてくれた。
僕は、バンドは期待していなくて良かったと思いつつ、その歌手が気になり、
それじゃぁ観てみようかな
と当日券を購入し、会場に入った。