先輩と後輩。
しばらく陸の練習を見てたらすっかりあたりは真っ暗になってしまった。
正直・・・すごぉく怖い。
「どしたんスか?なんか近くないスか?」
「き、きき気のせいさ」
陸はふーんと言うとニヤリと口元に弧を描いた。
まさか暗いとこが苦手なのばれた?
「まあ、ちょうどここらで終わりにしようと思ってたところッス。一緒に帰りましょ」
「そ、そだね・・・」
陸はまたにやりと笑う。
い、嫌な予感しかしない・・・。
「亜季先輩。ここにスイッチがあるッス。これをOFFにしたらどんくらい暗くなるんスかね~」
「わ、馬鹿。ちょっ、やめ・・・」
ふっ・・・と辺りは一気に真っ暗になった。
何も見えない完全な暗闇・・・。
怖くて、無我夢中でなにかに抱きついた。
「せ、先輩!?」
「~っ!」
怖い。怖い。怖い。怖い。怖いーーーーっっ!!
かち
「先輩・・・?」
そ、と肩に何かが触れる。
もしかして陸に抱きついていた・・・?
そう思うと腹がたってきた。
「触らないで!!」
「っ!?」
肩に触れてる手を払いのける。
「陸なんて大っ嫌い!!」
早くこの場から立ち去りたかった。
だから全力で学校をとびだした。