君とこの木の下で…
ん…
どこだ、ここ?
保健室…か。
ふと横に目をやると、あの青年が私の寝ていたベッドの横の椅子に腰掛け、ベッドにうつ伏せながら、スースーと音をたてて寝ていた。
私、倒れちゃった?のか…。
あーあ。一日目から…
もしかして、ずっとついててくれたのかな?
どうしよう、と思い肩に触れて起こしてみるが、一向に起きる気配がない。
とりあえず、来ていたカーディガンを肩に掛けた。
それからどうしたものか、と考えて、ひとまず携帯で時間を確認してみる。
12:24
あ、25分になった、と思ったと同時に
キーンコーンカーンコーン
チャイムがなった。
「ん」
チャイムの音で起きたらしい青年と目が合う。
「お、おはよう。」
すると、眠そうな顔がいきなり笑顔になる。
「お、起きたぁ!よかったぁ。もう平気?ごめんね、か弱いってそういう意味だったんだね。俺、なんも考えずに…」
そういうと、笑顔を曇らせ、上目遣いで見上げてくる。
「や、全然平気。私こそごめん。ついててくれた、よね?ありがとう。」
苦笑いで返してみると、青年もまたぱーっと笑顔になる。
ガラっ
「啓~、パン持ってきてやったぞ~。おまえ、クリームパンだろ?っていないじゃねーか。」
聞き覚えのある優しい声と共に君は入ってきた。