紅ノ刹那


思わず、感嘆の息を漏らす。


それと同時に、思う。


だからこその、生贄。



そう、自分は、
彼女を殺すのだ。


フと、罪悪感が湧くのを、理性で抑え込む。


(違う。
どんなに美しくても、この女は死刑囚だ)


それほどの罪を、犯した者。



それを裏付けるように、砂夜の手首で鳴る鎖。



そして、意味深な醒燕の目線。




緋焔はこれからの未来を想像して、そっと息をついた。



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