紅ノ刹那
「ほら、緋焔。
着いたぞ。
いい加減覚悟決めろよ…」
生贄となる死刑囚が待つ、
城内にある教会。
その扉の前で、緋焔は固まっていた。
なかなか勇気が出ないのだ。
「おーい、早くしろよ。
死刑囚サンも待ちわびてるぜ?」
「ううううるさい!!
まだちょっと心の準備が…」
「って言ってもう10分も経ってんじゃねえか。
ホラ、行け!!
男は度胸だ!!」
「……え?
っ、うわぁぁぁ!!」
緋焔は醒燕に突き飛ばされた。
―――結果、
彼は大いに目立って、教会内に入ることになったのだった。