-Super Natural-
外に出ると、そこには大きな黒と、たくさんの小さな白と、ひとつの大きな白が目に入った。
「…」
黙って立ち尽くして、その大きな白を見つめる。
それはまるで、私に向かってきているようで、綺麗なその白に、私はゆっくりと手を伸ばした。
届きそうで、届かない。
そんな、モヤモヤした感覚に襲われた。
すると、次の瞬間。
「………お待ちしておりました」
小さなものだったが、確かに声が聞こえた。
その方向を向くとそこには燕尾服を身に纏った綺麗な青色の長い髪をした人が、跪いていた。
「…誰?」
小さく尋ねると、
「…我が名は、朔夜(サクヤ)と申します。
あなたをお助けするために、ここへ参りました」
そう言った。
「私を…?」
「はい。
記憶をなくし、途方に暮れているであろう我が主君を、お助けするために」
そう言った彼、朔夜は、私にゆっくりと近づいて、話し始めた。
「御覧ください。
あの大きな光が月で、その回りにある小さい光が星といいます。
…あなたの記憶は、実験体にされたことを哀れに思った神が、
“辛い思いをさせないように”
とバラバラにし、飛び散らせてしまいました。
元々一つだったあなたの記憶は、あの星のそれぞれに飛んでいってしまったのです。
あなたが記憶を取り戻すには、
その記憶の欠片を取り戻さなければなりません」
うんうんと頷きながら、その話に聞き入る。
「記憶の欠片を取り戻すには、あの星たちのところへ行き、自らの手で、探し出さなければなりません。
…星は日々生まれ、死んでいきます。
もしかすれば、あなたが星に辿り着いた直後に、その星は死んでしまうかも知れません。
星は数も多い。
欠片がない星もあるかも知れません。
それに、それぞれの星には、それぞれ違う世界があり、違う歴史があります。
あなたを受け入れてくれる星、あなたを敵視する星、あなたを食材として見る星もあるかも知れません。
…数知れない苦難を乗り越え、欠片を探し出し、手に入れる覚悟…
それが、あなたにはありますか?」
月とは違う光が、私たちを照らし出す。