高峰君の秘密



「あ…プレゼント!
桜木ちゃん、誕生日おめでとう!」

「ありがとーっ」



急いでさっき買った物を渡した。



「開けていい?」

「うん」

「………わぁー♪
かわいい!!
ありがとっ、恭平君!!」

「いえ…」



嬉しそうに笑う桜木ちゃんを見て、ほっとする。

俺が桜木ちゃんにあげたのは、うさぎのストラップ。


うさぎが好きか分からないし、桜木ちゃんっぽいなと思った単純な理由だけど…



「大事にするね!!」



こんな笑顔をされたら、良かったと思った。


あれを渡したら…

深川もこんな顔してくれるのか…?



「何?」

「……何でもありません」



相変わらず無愛想な深川だ。

笑ってくれる訳がない。



俺は深川へのプレゼントに、後ろめたさを感じた。



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