高峰君の秘密



「あのさ…っ」

「ん?」

「高峰は…私が嫌いなの…?」

「……はい?」



最後の方は声が小さくて、聞き取りにくかったけど…

いや、空耳?



「高峰は、私を嫌ってるでしょ?」

「…え?」



違う。

空耳じゃない。


…って言うか、さ?



「逆じゃない?
深川が俺を嫌って…」

「え!?
いつ私が高峰を…?」

「いやいやいや、だって明らかに周りと態度違うじゃん」

「そ、そんなことないからっ
…高峰、私のこと嫌いじゃないの?」

「だから、嫌いじゃないって…」



それ以上に…

俺は、深川が好きなんだよ。



「…よ、良かったぁー…」

「え?」



何が“良かった”?



「今日の高峰、いつもと違うし…
なんか私を避けてるから…っ」

「ち、ちち違うから!!
俺が深川を嫌う理由ないし!!」



せっかく笑ってくれたのに、また泣きそうになる深川。


俺は焦って噛んでしまった…

うわ、まじで恥ずかしい…



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