高峰君の秘密



「陽菜…
これからも俺の傍にいろよ…?」

「う、うんっ」

「あー…やべぇ…」



私の耳に成弥の息がかかる。


あーもうっ!!

緊張して意識飛びそうだよ!!

限界!!



「…成弥っ」

「んー?」



“んー?”って…

何このキャラ変は…


…違う!!

早く戻らないと心配されちゃう…っ



「あ、の…
準備できたから下りて来てって…」

「ん…分かった」



離される前に、力強くギュッとされた。


あっ、そういえば…



「成弥…寝ぼけてる?」

「…なんで」



疑問形でもなく少し苛立った声がした。

そして、私を包んでいた腕は、あっさりと離された。



「ごめんっ
その…なんか成弥のキャラが…」

「はぁ?キャラ?」



あああぁっ

余計に苛立ってないですか!?


さっきまで甘い雰囲気醸しだしてたのは、成弥さんですよね!?



「怒らないでよー…」



私の誕生日なのにぃ…


今にも泣きそうなのを堪えて成弥を見ると、成弥は困った顔をする。


…困ってるのは私なのにっ



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