高峰君の秘密
「成弥!遅ぇよ!」
「悪い…」
廊下が人ばっかで通れなかったんだよ…
「さっき、桜木ちゃん来たよ」
「…は?」
“さっき”?
陽菜が?
俺、タイミング悪くねぇか…?
さらに機嫌悪くなる、俺。
そんな俺に畳み掛けるかのように付け足す恭平。
「あっ、桜木ちゃんの浴衣姿やばいよ!」
「…喧嘩売ってんのか?」
「さっきも絡まれてたし…
深川いなかったから、一人で危ないかも」
「…殴ろうか?」
後で、陽菜のクラス行ってやる。
恭平だけ陽菜の浴衣姿見たとか…
コイツなんなの?
「ごめんごめんっ
桜木ちゃんから伝言!」
「それを早く言えよ!」
「だから悪かったって…
“いつもの場所で待ってる”って。
ちなみに、桜木ちゃんは午後当番」
「はぁ!?
俺が午前当番って分かってんのか!?」
「言う前に行かれた…」
は!?
ふざけんなよ!!
,