高峰君の秘密



今の俺には、余裕なんかなかった。

アイツ一人でも絡まれるくせに、文化祭に浴衣で一人とかないだろ!?

それに、伝言ってなんだよ?

俺が来るまで、うちのクラスにいれば良いだろ?



「俺、抜け…」

「あぁ~!!
成弥君遅いよ~!!」



げ…



「…神崎…」



甘ったるい声で俺を呼ぶ神崎の姿。


こっち来るな…

今は相手にしてられねぇのに…



「浴衣、似合う~?」

「さぁ?
他の奴に聞いて。
俺は…」

「行かせないよ?」



教室を出ようとした俺の手を掴む神崎。


…めんどくせぇ!!



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