月の恋人
―――――――――――――…
「…くっ……そぉ、っ……!!!!!」
白球が
青い空に大きくカーブを描く。
こんなん、ホームランだぜ。
捕れる訳ないだろーがよっ!
文句垂れながら、それでも少年の性(サガ)で、ボールを追いかける。
投げた主は
金色の髪を光らせて
俺の気も、知らずに
さっきから
子供みたいにはしゃいでやがる。
おひさまのような(by陽菜)笑顔
金髪なのに失われない品性
クールかと思いきや
キャッチボールごときで
子供みたいに無邪気にはしゃぐ
男の俺から見ても
翔は、十分、魅力的な奴で。
だいたい、昔から、
この一つ年上のイトコに敵うことなんて
ひとっつも、無かったんだ。