月の恋人


「で、翔くんと涼は?どこ?」

野菜を買物袋から出して冷蔵庫にしまいながら、ママがあたしに尋ねた。


翔くんと涼?

そういえば、どこへ行ったんだろう。



「……さぁ……。お昼間、外でキャッチボールするって言って、2人して出てっちゃったけど……あれ、いま何時?」


はっと時計に目をやると
もう夕方5時を回っていた。


ひい、ふう、みぃ……


時計の数字を上から順番になぞって、自分が眠りに落ちていた時間を数えてみる。


―――6時間!?


いやいや

寝過ぎでしょ、あたし……。
いくら夏休みだからって
初日早々、ダラけ過ぎです…。




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