月の恋人




「……あ…………」



昨日の…翔くんの身体と同じだ。

ぎゅっとされると
肩が当たって、痛い。



翔くんも

涼も


あたしと同じ血が流れているはずなのに

どうして

二人して、こんなに大きくなっちゃったのかな。



―――男の子だから?







涼の腕が
こんなに力強くなっていたなんて

ちっとも気づかなかった。


あたしが
すっぽり入ってしまうサイズの
大きな身体


涼も
……翔くんも



(……オトコノコ、なんだぁ…)



急に、恥ずかしい気持ちが襲う。

弟の腕の中にいる、というだけなのに。


―――西日が射す涼の部屋は、暑い。



背中がじっとり、汗ばんできた。



「………涼?そろそろ…放してくれない、かなぁ…あたし、夕飯の支度手伝いに行かなきゃ…」


……聞こえる訳ないか。




「…………………」




「……りょうっ!」


「………………んー……」



あまりに寝顔が可愛いのと
気持ち良さそうに寝てるから
なんだか起こすのが可哀相になってくる。




でも、なんとか此処から脱出しなきゃ……!





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