月の恋人



貧血なんて、初めて起こしたから、半ばパニック状態で


「………誰か……」


声にならない声で
それだけ言うのが、やっとだった。




――ドンドンドンッッ



激しくノックされるドア




(……だれ?)



「おいっ!陽菜っ!?大丈夫かっ!?」





(……………涼……?)






涼の声を聞いた途端

すごく
安心した。


(あぁ、もう大丈夫……)




そのあとのことは、

何も、覚えていない。








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